力率とは?
POINT!!
- 力率は電源からの電力と実際に消費された電力の関係を表します。
- 効率は電力がどれだけ損失なく使われたかを示します。
- 力率と効率は異なる概念で、両方が高いほどシステムは効率的に動作します。
力率の基本概念
- 皮相電力と有効電力:
- 皮相電力: 電気機器を動かすために必要な全体の電力。
- 有効電力: 実際に電気機器によって消費され、仕事をするために使われる電力。
- 力率の定義:
力率は、電源から送り出される皮相電力に対する有効電力の割合です。これは、送られた電力のうちどれだけが実際に有効に使われているかを示します。
力率の具体例
- 電源から機器へ:
電源から送られた電力(皮相電力)のうち、実際に機器によって消費される(有効電力)と、消費されない電力(無効電力)があります。 - 無効電力:
消費されなかった電力で、電源と機器の間を行き来します。
力率と効率の違い
- 力率:
電源から送り出された電力に対して、どれだけの電力が有効に使われたかの割合。 - 効率:
電気機器に渡った電力がどれだけ損失なく使われたかの割合。
- 力率が高い場合でも、機器側で発生する損失(例えば熱として失われる電力)が多いと、全体の効率は低くなります。
力率と電気代の関係性(割引と割増)
力率割引・割増しは電力会社が電気料金を決める際に使用するシステムです。ここでいう「力率」とは、電力会社が提供する電力の中で、実際に有効に使用される電力の割合を指します。この割合に基づいて、電気の基本料金が割引されたり、割増されたりします。
力率割引・割増しの仕組み
- 対象: 低圧電力、高圧電力、業務用電力の契約者。
- 割引の条件: 力率が85%を超える場合、基本料金が割引されます。
- 割増しの条件: 力率が85%未満の場合、基本料金が割増されます。
具体的な計算方法
- 低圧契約の場合:
- 力率が85%を超えると、基本料金から5%割引。
- 力率が85%未満だと、基本料金に5%割増し。
- 高圧・特別高圧契約の場合:
- 力率が85%を超えると、超えた1%ごとに基本料金1%割引。
- 力率が85%未満の場合、下回る1%ごとに基本料金1%割増し。
力率廃止の理由について
東京電力のコメントが以下の通りとなっております。
近年では、ほとんどのお客さまが割引の適用対象であることや、託送供給等約款において、低圧供給には力率割引・割増しが規定されていないことから、2024年9月検針日以降のご使用分(2024年10月分料金のお支払い)より廃止いたします。
https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/teiatsu_minaoshi.html#:~:text=%E8%BF%91%E5%B9%B4%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E3%81%BB%E3%81%A8%E3%82%93%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%81%8A%E5%AE%A2,%E6%94%AF%E6%89%95%E3%81%84%EF%BC%89%E3%82%88%E3%82%8A%E5%BB%83%E6%AD%A2%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
近年では、低圧動力を契約中のほとんどの顧客で力率割引が適用されていることを背景に、事務作業の合理化などの観点から、力率割引・割増制度を撤廃しているようです。
北海道電力における低圧の力率割引・割増の廃止について
北海道電力から、2025年4月より力率割引・力率割増しの廃止がリリースされています。
低圧電力契約を締結している企業は対象になりますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
まとめ
今回は「力率の仕組み」と「電気料金への影響」について記載しました。
興味がある方は力率の仕組みについて、勉強してみると面白いかもしれません。