北海道の飲食店向け省エネガイド
はじめに
北海道の飲食店では、省エネ対策が非常に重要です。寒冷地ならではの課題もありますが、適切な対策を講じることで、エネルギーコストの削減と環境保全を同時に実現できます。この記事では、具体的な省エネ対策を初心者でも分かりやすく解説します。
省エネによる収益改善効果
エネルギーコストの削減
省エネは、経営改善に直結します。例えば、年間売上が9,000万円の飲食店で光熱費が5%を占めると、年間光熱費は450万円です。この光熱費を10%削減するだけで、年間45万円の利益を確保できます。これは、1年間の売上を1,500万円増加させるのと同等の効果があります。
エネルギー管理の基本
エネルギーの見える化
まずは、エネルギー使用の現状を正確に把握することが重要です。具体的には、電力、ガス、水道の使用量を記録し、前年との比較を行います。この「見える化」によって、エネルギー消費の無駄を発見しやすくなります。
具体的な対策
- 空調管理: エアコンの設定温度を適切に調整します。夏は26℃、冬は22℃を目安とし、空調機のフィルターを定期的に清掃します。これにより、エアコンの効率を高め、エネルギー消費を抑えます。
- 照明管理: 営業時間外には必要最低限の照明だけを点灯し、営業時間中もエリアごとに必要な照明だけを使用します。蛍光灯やLEDなどの省エネ型照明器具を活用しましょう。
- 厨房機器の管理: 冷蔵庫や製氷機の扉の開閉を減らし、定期的にフィルターを清掃します。調理機器の立ち上げは営業開始前に行い、使用しない時間帯は電源を切るようにします。
飲食店での省エネ実践例
居酒屋業のエネルギー使用実態
ある居酒屋店舗のエネルギー使用状況を以下のとおりです。
電力使用量の内訳としては、照明が30%、空調が23%、換気が5%、厨房機器が42%となっています。
季節ごとのエネルギー消費
夏季と冬季では、空調の消費量が増加しやすいです。特に夏季は厨房機器と同等の消費量に達することもあります。このため、エアコンの設定温度と換気の管理が重要です。
今すぐできる省エネ対策
簡単に始められる対策
以下の表に、すぐに実施できる省エネポイントをまとめました。スタッフルームなどに貼って、全員で取り組むことをお勧めします。
対策項目 | 内容 |
---|---|
照明管理 | 営業時間外の必要最低限の点灯 |
空調管理 | 設定温度の適切な管理とフィルター清掃 |
厨房機器管理 | 使用しない時間帯の電源オフとフィルター清掃 |
水道管理 | 漏水チェックと適切な水量管理 |
省エネのための店舗チェックリスト
店舗運営における省エネの取り組みを効果的に進めるために、以下のチェックリストを活用してください。YESの数が多いほど、省エネが実践できていることを示します。
売場のチェック項目
- 店内の照明は省エネ型の電球を使用している。
- 開店準備中は必要最低限の照明だけ点灯している。
- 営業中は時間帯により点灯・消灯させる照明器具を決めている。
- 空調機は気温や天候を考慮して稼働させている。
- 直射日光の入る窓には遮光スクリーンを設けている。
- 空調室内機のフィルター清掃を定期的に実施している。
- 室温チェックをしている。
- 店内に隙間風が入ってこない。
- 閉店と同時に不必要な照明器具を消灯し、BGMも消している。
- 閉店と同時に不必要な空調機を停止している。
結論
北海道の飲食店での省エネ対策は、エネルギーコストの削減と環境保全の両立を実現します。具体的な対策を講じ、エネルギー消費を「見える化」することで、効果的な省エネを実践しましょう。継続的な取り組みが、経営改善と環境保全の両立に繋がります。
参考資料:
- 農林水産省「一般飲食店における省エネルギー実施要領」