ポリ塩化ビフェニル(PCB)の全貌と処分の重要性~北海道の企業が知っておきたいPCBの基礎と処分のポイント~

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつては電気機器などに幅広く使われていましたが、環境や健康への影響が大きい ことがわかり、現在はその製造・輸入が禁止されています。古い工場やビルが多い北海道では、いまだにPCBを含む機器が残っている可能性があります。適切に処分せずに放置すると、重大なリスクを引き起こす場合があるため、企業として早めの対応が求められています。


1.PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは?

  • 高い電気絶縁性
    電気を通しにくい性質があり、変圧器やコンデンサーなどの電気機器に利用されてきました。
  • 化学的に安定
    熱や酸化分解に強く、環境中でもなかなか分解されにくいのが特徴です。

なぜ現在は使用禁止なの?

  • PCBは 分解されにくい ため、一度環境中に漏れ出すと長期間にわたり残留するリスクがあります。
  • 1968年の「カネミ油症事件」に代表されるように、健康被害(皮膚障害、内臓障害など)を引き起こす可能性が報告されています。

2.北海道企業が注意すべき理由

北海道は本州と比べて 面積が広く、老朽化した工場やビルが点在しているケースも多いといわれます。こうした施設の中に、以下のような PCB使用機器 が残っているかもしれません。

  • 古い変圧器・コンデンサー
    電力会社や工場の変電設備など。
  • 照明用安定器
    学校や事務所などで使われていた蛍光灯の安定器。
  • その他の電気機器
    熱交換器や計測機器など、PCBが使われていた可能性のある機器は多岐にわたります。
PCBの使用機器

北海道の気候(寒冷地) では、暖房設備や電気設備が本州とは異なる形で導入されている場合もあります。そのため、PCBが使われている機器が想定外の場所で残っている可能性があります。建物の修繕や撤去工事などの際に、思わぬところから発見されるケースもあるため注意が必要です。


3.PCBの毒性と健康への影響

  1. 脂肪に溶けやすい
    PCBは体内の脂肪組織に蓄積しやすく、長期間体外に排出されにくい性質があります。
  2. 身体への悪影響
    カネミ油症事件における皮膚トラブルや内臓障害、免疫力の低下などが代表的な例です。
  3. 環境リスク
    北海道の自然環境は豊かで、漁業や農業などを営む企業も多く存在します。もしPCBが漏出して土壌や水質を汚染すると、生態系や食の安全に影響が及びかねません。

4.PCB廃棄物処理の流れと北海道での注意点

1. 機器の調査・確認

  • まずは、自社にある電気機器がPCBを含んでいるかどうか を調べます。
  • 電気設備のラベルやメーカーの情報をチェックし、不明な場合は専門業者に調査を依頼しましょう。

2. 濃度に応じた処理方法の選択

  • PCB濃度が高い 「高濃度PCB廃棄物」 は厳重な管理と特別な処理が必要。
  • 濃度が低い 「低濃度PCB廃棄物」 も、専用の処理方法が定められています。

3. 処理施設への持ち込み・処理

  • 北海道内でも、国が指定した処理施設や自治体・専門業者の施設を利用できます。
  • 処理期間や受付状況 は施設によって異なるため、早めに予約や手続きを行うことが重要です。

4. 書類の作成・管理

  • PCBの処分は法令で厳しく規定されており、マニフェスト(産業廃棄物管理票) などの書類管理が必要。
  • 手続きを怠ると、企業に対して罰則や行政処分が科される可能性があります。

5.処分が必要な理由

  1. 環境保全
    PCBは分解されにくいため、土壌や河川、海洋を長期間汚染してしまうリスクがあります。北海道の豊かな自然を守るためにも、適切な処分は欠かせません。
  2. 地域住民や従業員の健康保護
    漏れ出したPCBが周辺住民や企業の従業員の身体に影響を与えることを防ぐ必要があります。
  3. 法令順守
    PCBの管理・処分は法律で厳しく規定されており、保管や廃棄義務を怠ると罰則の対象となる場合があります。

6.北海道企業が今すぐできること

  1. 所有機器の点検
    • 古い変圧器やコンデンサー、照明安定器などにPCBが含まれていないか確認する。
    • 必要に応じて専門家に依頼し、成分調査を行う。
  2. 管理体制の確立
    • PCBが含まれる機器は、法律に従って保管場所や保管方法を厳守する。
    • 担当者を決め、定期的に点検・記録を取るようにする。
  3. 早めの処分・交換
    • PCB機器を保有している場合は、速やかに処理スケジュールを立て、処分施設と連携する。
    • 新しい機器へのリプレイスも検討し、経営リスクを低減する。
  4. 補助金・助成制度の活用
    • PCB処理や機器交換に際し、国や自治体が助成を行っている場合もあります。
    • 北海道独自の制度や、公的機関の最新情報をチェックする。

7.まとめ

PCB(ポリ塩化ビフェニル)はかつて便利な素材として広く使われましたが、環境や健康へのリスク が明らかになり、今では法的に厳しく規制されています。特に 古い工場や建物が多い北海道 では、知らないうちにPCBを含む機器が保管されている可能性があるため、企業としては早めに調査・処分に乗り出すことが重要です。

  • 機器の調査・点検 → 処分方法の選択 → 適切な手続き
  • 北海道内の処理施設や専門業者との連携
  • 法令を守りつつ、地域の環境と企業の安全を確保

これらのステップを踏んで、確実かつ速やかにPCBを処分しましょう。PCBの適切な処理は、企業の責務 であり、ひいては 地域社会や自然環境を守る ことに直結します。是非、早めの行動でリスクを低減し、安全・安心な経営を続けていきましょう。