1. 供給地点番号とは何か
2016年の電力全面自由化以降、北海道を含む全国の消費者(家庭から企業まで)は、地域の大手電力会社以外にも「新電力」と呼ばれる事業者を自由に選べるようになりました。そして、この電力会社を切り替える際に欠かせない情報が供給地点番号です。
供給地点番号の概要
- 全国共通で22桁
- 「どの住所(設備)」に電気を供給しているかを特定するための一意の番号
- 電気の「住所」や「ID」のような役割を果たす
電気料金の請求や切り替え手続きには、この供給地点番号の正確な情報が不可欠になります。企業の場合、拠点や工場が複数あると、それぞれ異なる供給地点番号が付与されているため注意が必要です。
2. 新電力切り替えに供給地点番号が必要な理由
電力会社を切り替える際には、「現在の契約情報を正しく伝えること」が前提です。その最も重要な要素が供給地点番号になります。これが間違っていると、以下のような問題が起こりかねません。
- 契約対象設備の取り違え
別の拠点や他の契約者の情報と混同してしまうと、正しい電気使用量を把握できず、請求や手続きが滞る可能性があります。 - 切り替え時期の遅延
番号が誤っていれば、新電力が正しい手続きを進められず、結果的に切り替えが大幅に遅れるケースもあります。 - 二重請求のリスク
既存の電力会社へ解約手続きが適切に行われず、新電力との新規契約と重複して請求が発生する恐れもあります。
企業規模が大きくなるほど、こうしたトラブルの影響範囲は広がります。供給地点番号をしっかり把握しておくことで、円滑かつ確実な切り替えが実現するのです。
3. 供給地点番号の仕組みと北海道エリア特有のポイント
全国共通の制度
供給地点番号は全国統一ルールで22桁に設定されており、最初の数桁が地域を特定、続く桁で個別の契約を区別、最後の1桁で入力間違いを防ぐ「チェックディジット」を付与する形が基本となっています。
北海道エリア特有の事情
- 送配電の担い手は「北海道電力ネットワーク株式会社」
北海道電力株式会社(ほくでん)は、2020年4月に送配電部門を法的分離し、現在は「北海道電力ネットワーク株式会社」が送配電事業を担っています。新電力に切り替えたとしても、実際に電線を通して電気を届けるのは北海道電力ネットワーク株式会社である点は変わりません。 - 寒冷地特性による冬季需要の偏り
北海道は冬の暖房需要が大きく、ピーク時の電力使用量が他地域とは異なる動きをします。企業としては暖房費用の増大を見越した契約プランを選ぶことが重要です。 - 地域密着型新電力の存在
北海道に特化した新電力も増加傾向にあります。地産地消を取り入れたプランや地元企業と連携したサービスなど、多様な選択肢があります。
4. 供給地点番号の確認方法と「裏ワザ」

4-1. 電気料金の検針票・請求書
最も簡単な方法は、毎月の検針票や請求書を確認することです。多くの場合、「供給地点番号」や「供給地点特定番号」という項目があり、そこに22桁の番号が記載されています。企業が複数拠点をお持ちの場合も、拠点ごとに検針票や請求書が存在しているはずです。
4-2. 電力会社の会員ページ
現在の電力会社(地域電力会社や新電力)が提供するウェブ会員ページに登録していれば、契約情報や電力使用量データと一緒に供給地点番号が記載されていることがあります。検針票を紛失してしまった場合などに確認する手段として有効です。
4-3. 電力会社に直接問い合わせる
最終手段として、現在契約中の電力会社へ電話で問い合わせることで供給地点番号を教えてもらうことができます。契約者名義やサービス契約番号などが必要となるため、あらかじめ用意しておくとスムーズです。
4-4. お客様番号を使った「マル秘テクニック」
ただし、この「裏ワザ」は一般的な従量電灯契約(いわゆる規制料金)の場合のみ適用できるため、すべての契約で通用するわけではありません。企業契約の中でも低圧電力・高圧契約・特別高圧契約などでは必ずしもこの手段が使えないケースが多いので注意しましょう。
北海道電力の従量電灯(規制料金)の場合の例
「010 + お客様番号 + 00」で22桁のうちの一部を簡易的に特定できる、という裏ワザが存在します。これはお客様番号という既存の管理番号を基に、前後に一定の数字を付与するだけで「供給地点特定番号」として扱えるケースがある、というものです。
しかし、これはあくまでも検針票や公式ウェブ等で確認できる従量電灯契約に限定されます。大口契約や自由料金のプラン、法人向けの特別プランなどではこの方法は通用しない可能性が高いため、鵜呑みにせず公式な方法で確認するのが望ましいです。
この「マル秘テクニック」を使う際の注意
- 対象契約が従量電灯など規制料金プランであることの確認
企業契約の多くは自由料金や高圧契約が主流のため、そもそも当てはまらない場合が多いです。 - 最終的には正しいかどうか公式資料と照合を
万が一間違った番号を使うと、トラブルの原因にもなります。最終確認は検針票などの正式資料を参照しましょう。
5. 企業が新電力を導入するメリット
企業が新電力を導入するにあたって注目すべきメリットは、大きく以下の4点です。
- コスト削減
新電力は、従来の北海道電力よりも安い料金プランを提供しているケースが多々あります。拠点数が多い企業ほど、電気料金の合計金額は大きくなるので、コストダウン効果が期待できます。 - 環境配慮(再生可能エネルギーの比率向上)
近年、新電力各社がCO₂排出削減や再エネの積極活用を売りにしたプランを打ち出しています。企業のESG対応やCSR(企業の社会的責任)の観点からもメリットがあります。 - 料金プランの多様化
時間帯別や季節別に細かく料金を設定するプラン、あるいは需要予測をAIで行い効率的に電力を調達するプランなど、多彩なオプションを選べるのが新電力の強みです。 - 付帯サービスによる業務効率化
省エネコンサルティングや設備リース(LED化、空調機器など)、需要予測ツールなどをセットで提供している新電力もあります。単なる電気代削減にとどまらず、業務効率化や経営戦略にもプラスになることが期待されます。
6. 北海道エリアで新電力を選ぶ際の注意点
北海道エリア特有の気候・風土などを踏まえ、以下の点には特に注意したいところです。
- 冬季の電力需要ピーク
冬季に暖房用として電力需要が跳ね上がるため、その時期の燃料費調整額などがどのように計算されるか確認が必要です。 - 送配電トラブル対応は変わらない
新電力への切り替えでも、送配電インフラは「北海道電力ネットワーク株式会社」が一手に管理しています。停電や電柱・電線の故障時には、従来同様に同社が対応します。 - 地元・地域密着型新電力の活用
北海道内で独自の発電所や再エネを活用する地元新電力も登場しています。地域密着サービスや自治体との連携施策が充実しているケースもありますので、比較検討してみる価値は十分にあります。
7. 北海道エリアの電気料金の仕組み
企業向けの電気料金は、大きく以下の形態に分類されます。
- 低圧契約
小型店舗や事務所などが対象です。従量電灯契約(規制料金)と低圧電力(自由料金)がある場合もあり、検針票の契約種別をよく確認しましょう。 - 高圧契約
6,000V程度で受電し、工場やビルなどで降圧して使う大規模設備が対象です。基本料金と従量料金の両面でコストインパクトが大きく、新電力切り替えメリットを得やすい領域となっています。 - 特別高圧契約
22,000V以上で受電する非常に大規模な工場やオフィス群が該当します。電力使用量が膨大なため、契約種別を見直すだけで大きな金銭効果が見込めます。
燃料費調整制度と再エネ賦課金
- 燃料費調整額
原油・液化天然ガスなど燃料価格の変動を電気料金に反映させる仕組み。世界情勢や円安の影響を受けやすいため、契約プランを比較する際には燃料費調整の算定ルールを確認すると安心です。
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
全国共通で、再エネ普及を促進する目的の費用。電気料金に上乗せされる仕組みなので、どの電力会社を選んでも原則として支払う必要があります。
8. 企業向け新電力の選び方のポイント
- 料金プランの透明性
「基本料金」「従量料金」「燃料費調整額」をどのように計算しているか、しっかり開示されているかをチェックしましょう。 - 契約期間と違約金
企業向けプランでは、2~3年単位など長期契約が前提の場合もあります。解約違約金がどの程度か必ず確認してください。 - サポート体制
電気はライフラインです。夜間・休日のトラブル対応や問い合わせ先など、新電力側のサポートが充実しているか要確認です。 - 再生可能エネルギーの比率
企業のCSRやESG投資への対応として、再エネ比率を重視する場合、グリーンプランや非化石証書活用プランなどを提供する新電力を検討すると良いでしょう。 - 付帯サービス
エネルギーコンサルティング、デマンド監視システム、設備更新(LED化など)のリース・販売と組み合わせたプランなど、コスト削減以外のメリットも重視すると長期的に企業の価値向上につながります。
9. 供給地点番号を正確に把握する意義と省エネとの関連
9-1. 供給地点番号を正確に管理するメリット
- 複数拠点の契約情報を正しく整理できる
工場や事務所が複数ある企業では、拠点ごとの電力使用量や契約状態を一元管理するために、供給地点番号の把握が役立ちます。 - 切り替えトラブルの防止
供給地点番号を誤ると、二重請求や契約手続きの遅延が起こりやすくなります。企業経理部門の負担も増えるため、初期段階で正確に把握しておきましょう。
9-2. 省エネ策との関連
供給地点番号そのものが省エネを実現するわけではありませんが、新電力切り替えやスマートメーター導入によって取得できる拠点ごとの使用量データを整理しやすくなり、省エネ策検討に生かすことができます。
- スマートメーターで詳細な使用状況を可視化
すでにスマートメーターが導入されている施設なら、30分単位などで細分化された電力使用データを取得できる場合があります。分析が進めば、ピークカットやシフトを行い、コスト削減と省エネを両立しやすくなるでしょう。 - 新電力による見える化ツール
新電力会社によっては、企業向けに使用電力をグラフ化したり、時間帯別・拠点別に比較できる機能を提供しているところもあります。複数拠点の供給地点番号と使用データを連動させることで、効果的な省エネプランを立案できます。 - 定期的な契約見直しの材料に
生産量や事業規模に変化があった場合、契約容量や契約種別を見直すことで無駄な基本料金を圧縮できる可能性があります。省エネ施策との相乗効果で、さらに大きなコスト削減を見込めるかもしれません。
10. 新電力切り替えプロセスの一般的な流れ
企業が新電力に切り替える場合の主な手順は次のとおりです。
- 現行契約の把握
- 使用量や請求額、契約形態(低圧・高圧・特別高圧)
- 供給地点番号(拠点ごとに整理)
- 新電力へ問い合わせ・見積もり
- 具体的な料金シミュレーションの提示
- 契約期間やサービス内容の比較検討
- 契約手続き
- 新電力と供給契約を締結
- 供給地点番号や契約名義、利用開始日を確定する
- メーター交換(必要に応じて)
- 既にスマートメーターが設置されていれば交換不要な場合も多い
- 交換作業は送配電会社(北海道電力ネットワーク)が行う
- 切り替え完了・供給開始
- 契約日に合わせて新電力での供給がスタート
- 請求・支払いも新電力経由に変更
複数拠点がある企業では、拠点ごとに契約タイミングをずらすことも可能ですが、一括で行うほうが手続きや管理がスムーズになる場合も多いです。
11. 企業の新電力のことなら、totokaに相談
「北海道 企業 供給地点番号」という視点で見ても、北海道エリア特有の冬季需要や地域性を踏まえながら電力会社を選ぶことは、企業にとって大きなコスト削減・環境配慮のチャンスとなります。しかし、実際の切り替えにあたっては複雑な比較検討や契約手続きが必要となり、どこから始めればよいか分からないことも多いでしょう。
そこで、企業の新電力のことなら「totoka」にぜひご相談ください。
- 複数拠点の供給地点番号整理
- 最適プランのシミュレーションとご提案
- 省エネや環境負荷低減のためのコンサルティング
北海道という寒冷地ならではの事情に配慮したサービスも含め、細やかなサポートを行っております。ぜひ一度、現在の電気契約を見直し、コストダウンと環境配慮を同時に目指してみませんか。ライフラインである電気に関する不安や疑問を解消し、企業価値をさらに高めるための一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。