エネルギーコスト適正化
【プロパンガス編】
プロパンガス会社との上手な付き合い方を説明しております。以下のような方を対象としています。
✔ プロパンガスの料金メニューの仕組みを理解したい
✔ プロパンガス会社の選び方が分からない
✔ 企業の仕入担当で、コスト削減に取り組みたい
✔ ガス代の高騰により、ガス会社の変更の検討を進めている
✔ 環境配慮の取り組みとしてカーボンニュートラルガスを検討している
プロパンガス会社を変更・選定するうえでの重要なポイント
実は、プロパンガスは自由に選択できることを知らない経営者が多いのが現状です。また、無償貸与の仕組みからガス会社の変更には違約金が発生するため、切替が不可能と考えている方も多いです。
以下、プロパンガスを自由に変更できる仕組みと変更のメリットを説明しています。
POINT 1
– プロパンガスの自由化
プロパンガス料金は、国の規制がないので、プロパンガス各社は自由に価格を決め、値上げや値下げも自由に変更できます。
実は、プロパンガス会社を自由に変更できることを知らない方も多いと思いますが、簡単に供給業者を変更することが可能です。
POINT 2
– ガス保安の体制
プロパンガスは危険物であるため販売するうえで、必ず保安義務が発生します。ガス供給事業者は以下の保安対応を確保することが求められています。
ガス会社によって、保安を外部委託しているケースもあります。いざという時に、対応可能な信用できるガス会社を選択することがベターです。
- 供給開始時点検・調整
LPガス(プロパンガス)の供給を開始するときに、設備の点検や調査を行います。 - 容器交換時等供給設備点検
容器・圧力調整器、バルブ、供給管などの点検や調整を行います。 - 定期供給設備点検(4年に1回、設備によって6か月、1年、2年に1回)
供給設備のガス漏れ試験などを行います。 - 定期消費設備点検(4年に1回、地下室は1年に1回)
ガス器具や給排気設備などの調査を行います。 - 周知(供給開始時および2年に1回、設備によって1年に1回)
LPガスの使用上の注意などを記載したパンフレット等(周知文)を定期的に配付します。 - 緊急時対応
消費者からの災害の発生などの連絡に対して出動し、迅速な措置を行います。 - 緊急時連絡
消費者からの災害の発生などの連絡に対して迅速な措置を行います。(出動を伴いません。)
POINT 3
– プロパンガス会社を変更する理由
-Merit 1
プロパンガスを安くすることが出来る
現在契約中のガス供給会社を変更することで、ガス価格を安く抑えることが出来ます。プロパンガスは契約内容によっては制約がありますので、事前に契約書を確認することをオススメします。
-Merit 2
安定供給が可能になる場合がある
プロパンガスは分散型エネルギーというメリットがある反面、ガス切れのリスクがあります。
盤石な配送体制を構築している会社に変更することで、ガス切れなどのリスクを軽減することができます。
-Merit 3
プロパンガスの品質は変わらない
プロパンガスはJIS規格および液化石油ガス法における規格で成分が決められています。ガス会社の変更によって品質が変わってしまうことはありません。
北海道の場合は「い号液化石油ガス」という規格が流通しています。
POINT 4
– プロパンガス会社の選び方
Step1
供給エリアの確認
プロパンガス会社は保安エリアの制約があるため、供給エリアが限定されているケースが多いです。
まずは、供給可能なガス会社を確認しましょう。
Step2
料金プランの確認
ガス料金算定の仕組みは複雑です。ガスの使用量が多い場合は、計算式を決めて、ガス会社と交渉することで安定的に低価格のガスを購入できるようになります。
Step3
会社の規模・発電所
規模の大きな会社は、仕入元に対してスケールメリットを生かして安価な原料を調達できます。顧客数が比較的多い会社と交渉することで、良い条件で供給を受けられる可能性があります。
POINT 5
– プロパンガスの供給方式
プロパンガスには大きく分けて、ボンベ(シリンダー)供給方式とバルク供給方式の2種類の供給方式があります。
ボンベ(シリンダー)供給方式
- シリンダーのサイズ
シリンダーは、様々なサイズで利用されます。よく見られるのは、20kgや50kgのシリンダーです。 - 自動切換調整器と集合装置
シリンダーは自動切換調整器や集合装置に接続されます。これにより、一つのシリンダーが空になった時に、自動的に別のシリンダーに切り替わり、連続してガス供給が維持されます。 - 適用範囲
月間のガス使用量が数立方メートルから1000立方メートル程度の場所に適しています。これは、比較的中小規模のガス使用量の場所に適したシステムです。 - 用途
シリンダー供給システムは、レストラン、ラーメン店、オフィスなどの商業施設で主に給湯用途に使われます。一般家庭での使用も可能です。 - 設置場所の重要性
シリンダーの設置場所は、安全性や供給効率を考慮して選ばれる必要があります。
バルク供給方式
- 使用施設
バルク供給方式は、飲食店、ホテル、病院、工場などの中規模から大規模のガス使用施設に適しています。 - バルク貯槽の設置
この方式では、バルク貯槽と呼ばれる大型のタンクを施設内に設置します。これにより、大量のガスを一度に保存することが可能になります。 - ローリーによる供給
LPガスは小型ローリーを使用してバルク貯槽に直接供給されます。これにより、ボンベを使用する必要がなくなり、運搬と保管の手間が大幅に削減されます。 - 効率と便利さの向上
以前はLPガスをボンベに小分けして配送していましたが、法改正により、バルク貯槽への直接ローリー供給が可能になりました。これにより、灯油のホームタンクへのローリー供給と同様な方式が採用され、より効率的で便利な供給方法となっています。 - 軒先充填の可能性
バルク供給方式では、顧客の施設のすぐ近くでガスを充填することができるため、ガスの搬入が容易になります。
POINT 6
– 料金メニューの特徴
プロパンガスを算定する基本的な計算式は以下の通りです。(原料費調整制度の場合)
ガス料金 = 基本料金 (円/月) + 従量料金 (円/m3)
従量料金 =(CP価格 + MB価格) × 為替 + フレート + 石油石炭税
CP価格:サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決定する価格
MB価格:テキサス州モントベルビューで、取引されている市場価格
フレート:タンカー運賃または用船料のこと
– 原料費調整制度
原料費調整制度は、プロパンガスの原料価格が変わることをガスの使用料金に反映させる仕組みです。原料価格は中東諸国やアメリカからの輸入価格や為替の変動によって変わります。この制度では、原料価格が変動すると、毎月のガス料金もそれに合わせて変わります。原料価格が上がれば料金も上がり、下がれば料金も下がります。
原料費調整制度を導入していないプロパンガス販売店では、原料価格の上昇は料金に反映されることが多いですが、価格が下がっても料金を下げないことがあります。一方、原料費調整制度を導入している場合は、原料価格の上昇だけでなく下降も料金に反映されるので、料金設定が透明でわかりやすくなります。
– 元売事業者
海外からプロパンガスを調達・生産等をしている会社を「元売事業者」と呼びます。一般的に、元売業者のもとで輸入もしくは生産されたLPガスは、卸売業者により家庭用のガスボンベ・タンクローリーなどに詰め替えられ、小売業者に販売されます。
元売会社によって、計算式が異なるため比較検討するためには指標と仕組みを理解する必要があります。
– 無償貸与設備の仕組み
プロパンガスの無償貸与契約は、ガス会社が契約期間中(通常は10~15年)無償でガス配管やガス機器などを設置するサービスです。しかし、「無償」という名前にも関わらず、実際にはガス配管工事費や設備費用が毎月のガス料金に上乗せされて請求されます。このため、実質的にはリース契約に近いサービスです。一部のガス会社は誤解を避けるために「設備貸与契約」という名称を使用しています。このようなサービスを提供することで、ガス会社は初期費用を抑えた提案が可能となり、顧客が自社のガスを選ぶ可能性を高める仕組みです。
一方で、ガス会社の貸与設備の償却が進んでも、ガス単価を下げないガス会社が多いのが実態です。このため、償却が進んだ段階でガス会社を変更し、契約を見直すことで料金を下げることができます。
※弊社コンサルティングの場合、ガス料金を下げると同時に原料費調整制度を導入することを基本としております。
POINT 7
– プロパンガス料金の適正化ならtotokaにお任せ
プロパンガス会社との上手な付き合い方、プロパンガス会社の選び方について詳しく知りたい方はtotokaまでお気軽にご相談ください。